歯の豆知識を紹介しております。
こんにちは、歯科医師の山田です。 今回は歯の汚れについてお話しします。
歯の汚れ、「歯垢」や「プラーク」、汚い言い方だと「歯くそ」なんて表現することがあります。
目くそ、鼻くそ、耳くそ、歯くそ、尻のくそとある中で、1グラム当たりの細菌量の多さは
実は歯くそと尻のくそが1位、2位を争うレベルなのです。
では、なぜ歯の汚れの細菌量が多くなるのか、それは以下の環境が影響しています。
1.湿潤している
口の中は常に唾液で湿っています。もちろんこれは歯や歯ぐきを守る目的なのですが、
同時に細菌にも良い環境となっています。細菌を含めたすべての生物は乾燥に弱く、
逆に言えば口の中は細菌にとって活動しやすい環境となってしまっています。
ただし、唾液の中には抗菌成分もあるため、これだけが理由で細菌量が多くなることはないです。
2.温かい
口の中の温度は体温よりも少し温かく、細菌が繁殖および活動しやすい温度環境となってしまっています。
3.歯がある
歯が生えていることで、歯と歯ぐきの間や、歯と歯の間、歯の溝の深い部分など、
狭い隙間が存在しています。この狭い隙間に汚れは入り込みやすく、また汚れを
落としにくい部分となっています。 こういった部分に汚れが残り続けることで、
その中で細菌が繁殖していきます。
これらの環境条件のうち、1.2.は変えられない部分ですが、
3.は歯ブラシ等を適切に使用することで状態を改善できます。
ただし、歯並びの状態や歯周病の進行状態によってはどれだけ
上手に歯ブラシ等を使用しても磨ききれない部分がでてきます。
歯と歯の間の狭い隙間や、歯と歯ぐきの間の深い歯周ポケットの奥などは汚れが残り続けてしまいやすいため、 歯科医院での定期的なメインテナンスを行うことで状態の改善を図っていきましょう。