歯の豆知識を紹介しております。
こんにちは、おくだ歯科の歯科医師 山田です。
本日は蓄膿症についてお話しさせて頂きます。
蓄膿症とは、読んで字のごとく「膿がたまってしまう」病気です。
よく鼻かぜをひいたときに、上あごのあたりが重い感じ、また顔を不意に動かした時に痛い感じが出ることがあります。これがまさしく膿がたまっている状態です。
では、どこに膿がたまるのか。じつは、上あごの中にたまります。
上あごの骨の中には空洞があり、「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれています。この上顎洞は鼻(鼻腔)とつながっているため、鼻かぜを引いたときは上顎洞にも膿がたまってしまうのです。
さて、そんな蓄膿症ですが、症状が少々やっかいです。上にも書いたように上あごの重い感じや、急な動きで痛む感じの他に、歯の痛みとして現れることがあります。
具体的には、歯がズーンと痛い感じだったり、噛んだ時に痛かったり等です。
これは、上顎洞が奥歯の根っこのすぐ上にある為に歯の症状と混同してしまうのです。
この蓄膿症ですが、直接的な治療法はなく、例えば風邪薬を飲む等の対症療法や、栄養を取ってよく寝る等の免疫力を上げる間接的な治療方法になってきます。
そのため、「歯が痛いのに歯医者に行っても歯は悪くないと言われて何もしてもらえなかった」と言われてしまうことがありますが、蓄膿症であると診断した場合は歯には問題ないため、むしろ正しい判断であったとご理解いただければと思います。
ただし、ここまで書かせて頂いたのは、鼻かぜからくる蓄膿症、いわゆる「鼻性上顎洞炎」の話です。実はこの上顎洞炎には歯が原因となる場合の「歯性上顎洞炎」もあります。歯からの場合はレントゲンですぐにわかるので、症状がある場合はまずは来院して頂ければ幸いです。