歯の豆知識を紹介しております。
こんにちは。歯科衛生士の岩井です。 今回は入れ歯の正しいメインテナンスについてお話したいと思います! 日本人の高齢者は今とても多く、入れ歯を使われる高齢者の方もとても多くいらっしゃいます。 最近では昔と比べると予防歯科の必要性が少しずつ理解されてきており歯のメインテナンスによるケアが理解されるようになってきましたが、 入れ歯・歯がなくなってしまった方の口腔ケアの必要性はまだまだ理解されてないそうです。 (ある文献では入れ歯をつけている方の約88%の入れ歯が不衛生だった事が明らかになりました。) ▽入れ歯の清掃の必要性 「歯が無いからもう口の中の掃除はしなくていいや」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、入れ歯にも汚れは付きます。その汚れの中には口腔内の細菌が多く存在します。口腔内の細菌は全身疾患との関連が高いと言われており、糖尿病・誤嚥性肺炎・心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化・早産などの病気と関連があります。そのため、入れ歯を綺麗にメインテナンスする事は、これらの全身疾患の改善や予防にも繋がるとも言えます。 ▽ 入れ歯の正しいセルフケア セルフケアをしっかり行うことで入れ歯も長持ちします。 入れ歯の清掃には ・入れ歯用のブラシによる機械的清掃 ・洗浄剤による化学的清掃 の2つがあります。 入れ歯の清掃には、入れ歯用のブラシによる機械的清掃が基本です。あくまでも洗浄剤による化学的清掃はブラシで落とせない所を補う補助的なものです。洗浄剤を使えばブラシで磨かなくても良いという事ではないのです。義歯洗浄剤の取扱説明書にはブラシを用いた機械的清掃が必要と記載されているにもかかわらず、洗浄剤による化学的清掃のみ重視してしまう傾向があるようです。ブラシで清掃せず、汚れ(歯垢)が固まると、歯石となりセルフケアによる義歯清掃が難しくなります。 ▽機械的清掃 『 汚れのつきやすいところ 』 汚れはでこぼこしたところや、隙間などに溜まりやすいです。 ・歯をかける金属部分 ・入れ歯の内面(歯茎に当たる面) ・歯の部分(人工歯) などに汚れが溜まりやすいので気を付けて磨きましょう。 『 着色汚れ 』 入れ歯を使用していると、飲食(コーヒー・紅茶・お茶)や喫煙により着色汚れがつくこともあります。 着色汚れは見た目が気になるだけではなくて、着色汚れに歯垢がつきやすいと言われているため、しっかりと除去する必要があると言えます。 『 義歯用ブラシ 』 普通の歯ブラシでも良いですが入れ歯を洗う専用のブラシもあります。 ・入れ歯が摩耗しにくく傷つけることが少ない。 ・握力の弱い方にも握りやすい長さや形である。 『 注意すること 』 ・入れ歯の破折の原因の1つに、入れ歯の清掃中の入れ歯落下があげられます。入れ歯の落下は意外と多いので清掃前の準備としてシンクや洗面器に水を張って清掃をしましょう。水の中に落下すれば入れ歯の破損を防止することができます。 ・入れ歯を洗うときに歯磨き粉を使用すると研磨剤により入れ歯の表面が傷つけられ、細菌を増殖させるきっかけになるため、使用は控えましょう。 ▽化学的清掃 ・セルフケアにおきブラシでの清掃にも限界がある場合もあります。例えば視力が低下してしまった方、上手く手先を動かせず細かい部分まで汚れを取ることが難しい方、飲料や喫煙による着色汚れなど。ブラシで取りにくいところには洗浄剤を補助的に使用してみましょう。 →ブラシによる清掃は毎日行い、洗浄剤などは3日に1回を目安に使用してみましょう。 ▽プロフェッショナルケア セルフケアだけでは落とせない強力に付着した着色や歯石汚れもあります。 そのような汚れは歯科医院にある超音波洗浄機を使用すると効果的に除去することができます。セルフケアで取れなかった汚れなどがある場合は歯科医院で清掃しましょう。 入れ歯をしっかり洗えているか心配な方、洗い方が分からない方などいらっしゃいましたら、正しい洗い方をお伝えさせて頂きますのでお気軽にお申し付けください!