予防歯科について
可児市の歯科医院(歯医者)のおくだ歯科・矯正歯科では、8020運動を実施しております。
8020運動とは、80歳になった時に自分自身の天然歯が20本残ることを目指す運動です。
実際、日本に次ぐ世界第二の長寿国スウェーデンの80歳の老人の歯の残存数は、日本人の2倍以上(21本)で自分の歯で生活できる方が多くおられます。
なぜならスウェーデンの人々は、歯医者は治療のためでなく、歯の汚れの除去や歯や歯ぐきの健康チェック、そして予防のため(メンテナンス)に歯医者に行くのが普通と考えているからです。予防歯科を受けて歯を大切にするという習慣が普通であり、これはアメリカやヨーロッパ各国もほぼ同様です。
それに対して日本人のメンテナンス率は約2%です。しっかり定期的に予防歯科(メンテナンス)を受けることによって、天然歯で一生過ごせることが可能になります。
プロフェッショナルケアとセルフケア
お口の中のケアは、歯科医院(歯医者)で行われる「プロフェッショナルケア」と、患者様がご自宅で行うブラッシングなどの「セルフケア」に分けられます。
どちらか一方だけでなく、これら2つのケアを両立させることが大切で、それが実現できて初めて虫歯や歯周病を効果的に予防できるようになります。
プロフェッショナルケア
スケーリング
スケーラーと呼ばれる専用器具を使って、歯に付着した歯石を取り除きます。
歯石の表面がデコボコしているため、これを放っておくと歯垢(プラーク)などの汚れがどんどん付着して、虫歯や歯周病の原因となります。
PMTC
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医院(歯医者)で行われる専門的なクリーニングです。お口のクリーニングのプロである歯科衛生士が中心となって、専用器具を使って口腔内の汚れを隅々まできれいに取り除きます。
PMTCを受けられた後、お口の中がスッキリし、歯面を研磨してツルツルにするので、歯垢(プラーク)などの汚れが付きにくくなります。
シーラント
奥歯の溝は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため虫歯のリスクが高い部位となります。この奥歯の溝をあらかじめレジン(歯科用プラスチック)で塞いて虫歯を予防するのがシーラントという方法です。
生えたての乳歯・永久歯に高い予防効果を発揮します。
ブラッシング指導
お一人おひとりで歯並びは違い、またブラッシングの「癖」がありますので、それらを1つ1つよく把握した上で、その方に最適なブラッシング方法を指導・アドバイスいたします。
また磨き方だけでなく、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどのケア用品の選び方もアドバイスいたします。
フッ素塗布
歯質を強化する働きがあるフッ素を歯に塗布して、虫歯を予防します。
フッ素は人間の体や自然界に元々ある元素で、これが歯の表面(エナメル質)と結合することで歯質が強化され、虫歯菌が生成する酸から歯を守ります。またフッ素には歯の再石灰化を促進する効果があるので、初期の虫歯であればフッ素塗布により改善できる場合があります。
フッ素塗布は小さなお子様から受けられ、2~3ヶ月に1回など定期的に受けることで予防効果が高まります。
セルフケア
歯ブラシ
セルフケアの基本となるもので、前歯の裏や奥歯の裏、歯と歯の間、歯と歯茎の境目など、隅々まで磨き残しがないように丁寧にブラッシングしましょう。
定期メンテナンスでは、歯科衛生士がお口の中を確認して、その方に最適なブラッシング方法を指導・アドバイスいたします。
歯間ブラシ・フロス
お口の中の汚れを綺麗に取るために、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどのケア用品も活用するようにしましょう。
「歯と歯の間の汚れの除去には、歯間ブラシを使う」など、ケアする場所に応じて歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを使い分けることで、効果的に汚れが落とせるようになります。
PMTCについて
PMTCとは、プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略で、歯科医師や歯科衛生士といった専門家による機械を用いた歯の徹底的な清掃のことです。
30年ほど前にスウェーデンで始まり、今では世界の先進国で広く行われています。
ただ単に歯ブラシの代わりに機械を使って掃除するというものではなく、歯ブラシ等では絶対に落とせないバイオフィルム(台所のヌルヌル汚れのようにこびりついてしまった歯の汚れ)を柔らかいゴムのチップなどを用いて剥がし取り、悪玉菌が多い状態を善玉菌が多い状態にしてしまおうというものです。
歯科医院で徹底的なクリーニングを受けてお口の中を善玉菌が多い状態にして、さらにお家でのお手入れを丁寧にしていただくと、次の定期クリーニングの日まで歯のバランス状態を良好に保つことができます。
PMTCは、選び抜かれた様々な機械・器具・材料の中から、患者様のお口の状態に合わせて組み合わせを決定します。
それらを用いて予防歯科のプロフェッショナルである歯科衛生士が患者様の歯を隅々までクリーニングします。日常のお手入れではできないレベルのクリーニングです。
使用する器具の中には細い隙間に入れるために先が尖っているものもありますが、クリーニング中に痛みを感じることはありません。
気持ち良くて眠ってしまう方もいらっしゃるぐらいです。クリーニング終了後は歯の表面がツルツルになり、お口の中がさっぱりします。
PMTCでしか清掃できないところ
- 歯と歯の間
鏡を見ながら磨いても落ちない汚れをしっかりケアいたします。 - 歯と歯肉の境目
自分ではなかなか磨くことのできない歯と歯肉の境目を優しくケアいたします。
歯の健康は、PMTCとホームケアを両立することで、維持することができます。可児市の歯科医院(歯医者)のおくだ歯科・矯正歯科では、患者様の歯を健康に保つために、患者様に最も適した予防プログラムを作り、PMTCを行っています。
フッ素で予防
フッ素(元素記号[F])は、塩素やヨウ素などと同じハロゲン族元素の一つです。化合力が非常に強く、身の回りのある土や水、草や木などの植物、動物、そして人間の体にも例外なくフッ素は含まれています。私たちは、毎日食べ物や飲み物からフッ素化合物を体に取り入れています。フッ素は、人間の体・特に歯や骨を丈夫にする有益元素なのです。
フッ化物を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶(アパタート)の一部になります。フッ化物を含んだ歯の結晶は、普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなります。つまり、フッ化物を適切に使うと歯の表面が強くなり、虫歯になるのを防ぎます。
また、歯のエナメル質の周りにフッ化物があると一度脱灰した部分の再石灰化を促進し、エナメル質の補修がしやすくなります。最近の研究では、この再石灰化促進力の方がむし歯予防効果としては大きいといわれています。
フッ化物の塗布は、専門家である歯科医師や歯科衛生士が行います。フッ化物を塗る時期も、「歯が生えたらすぐに」が原則ですが、具体的に「いつ」「どのように塗るか」については、歯科医師に相談します。
子どもの頃は、次々と乳歯が抜け、新しい永久歯が生えてくるので、定期的に年に2~6回くらい塗るのが適当です。フッ化物ゲルの塗布以外では、フッ化物溶液で綿球を使った塗布法が多く用いられています。
また、歯ブラシでゲル状のフッ化物を塗る方法は、様々なフッ化物塗布法の中でも、歯ブラシを使用することで不安感がやわらぐため、短時間で済み、特に幼児に向いています。
フッ化物を塗ると歯が黒くなるという声もありますが、虫歯予防のフッ化物液で歯が黒くなることはありません。
歯が黒くなるのは、虫歯の進行を止める為に使うサホライド(フッ化ジアンミン銀)という液を使った場合です。
予防歯科の重要性
日本ではまだまだ「歯医者は歯が痛くなってから行くところ」と考えている方が多く、予防歯科の考えが浸透しているとは言えない状況です。しかし、治療を続けていると歯に負担がかかり、寿命を縮めることに繋がります。高齢になってもご自身の歯を残すためには、痛みなどの症状がないうちから予防・定期メンテナンスへ通い、お口の中をいつも清潔な状態に保つことが重要となります。
天然歯を失った時、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどの補綴物で口腔内の機能を補うことになりますが、これらはあくまで人工物であり、機能も見た目も天然歯に勝るものではありません。かけがえのない天然歯を守り続けて、いくつになってもご自身の歯でものを噛み続けるためにも、是非、当院の予防歯科へお越しください。