- コラム
「歯が抜けたまま放置していませんか?」
歯がない部分をそのままにしておくと、見た目だけでなく健康にもさまざまな影響を及ぼします。咀嚼力の低下や噛み合わせの乱れ、さらには他の歯への負担や口腔内トラブルの原因になることも。
この記事では、歯がない問題を解決するための治療法「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」「歯牙移植」について、それぞれの特徴やメリット・デメリット、治療期間や費用を解説します。
「どの治療法が自分に合っているのだろう?」と悩んでいる方も、この記事を読むことで最適な選択肢を見つけることができるはずです。健康的な口元を取り戻し、笑顔と食事を心から楽しめる日々を取り戻しましょう。
歯がないところに歯を入れる必要性
歯がない状態を放置することは、健康面や見た目の面でさまざまな問題を引き起こします。咀嚼力の低下、噛み合わせの乱れ、さらには虫歯や歯周病の原因にもつながりかねません。
また、見た目にも影響を及ぼし、自信を失う要因となることもあります。早めの治療で、健康的な口腔環境と生活の質を保つことが大切です。
歯がない状態を放置するとどうなる?
歯がない部分をそのままにしておくと、以下のような問題が発生する可能性があります。
咀嚼力の低下
歯が欠けた状態では食べ物を十分に噛むことができず、消化器官に負担がかかります。
胃腸の調子が悪くなるだけでなく、栄養の吸収が不十分になりやすくなります。
その結果、体調不良や生活習慣病のリスクが高まる恐れがあります。しっかり噛むことができる歯を取り戻すことで、健康的な食生活が維持できます。
歯並びや噛み合わせの悪化
歯は隣同士で支え合っていますが、歯が抜けた状態が続くと周囲の歯が傾いたり移動したりしてしまいます。
噛み合わせが乱れると、顎に負担がかかり、頭痛や肩こり、顎関節症など全身的なトラブルを引き起こすことがあります。正しい噛み合わせを保つためにも早期の対応が必要です。
虫歯や歯周病を引き起こす原因になる
歯がない部分は、歯垢や食べかすが溜まりやすくなり、細菌が繁殖して虫歯や歯周病が発生しやすい環境になります。
また、口腔内の衛生環境が悪化することで、口臭が強くなる場合もあります。歯を補うことで、虫歯や歯周病・口臭のリスクを軽減できます。
見た目への影響
歯がない状態が長引くと、顔の輪郭に変化が生じることがあります。特に頬の筋肉が衰えることで、頬がこけてしまい、老けた印象を与えることがあります。
また、笑顔にも影響し、社会生活で自信を失う原因になることもあります。歯を補うことで、若々しい見た目を維持しやすくなります。
関連記事:歯がないとどうなる?考えられるリスクと対策方法
歯がないところに歯を入れる4つの治療法
歯がない部分を補う治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラント、そして歯牙移植が挙げられます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、治療期間や費用も異なります。
ここでは、各方法の特徴を詳しく解説します。
入れ歯の特徴、メリット、デメリット
入れ歯は、失った歯を人工的に補う取り外し式の装置です。部分入れ歯と総入れ歯があり、失った歯の本数や位置によって選択肢が異なります。
メリット
- 保険が適用される場合が多く、費用が抑えられる。
- 短期間で作製可能。
- 多くの歯を一度に補うことができる。
デメリット
- 口腔内に異物感があり、慣れるまで時間がかかる。
- 支える歯に負担がかかることがあり、場合によっては寿命を縮めることがある。
- 固いものを噛む力が弱くなる場合がある。
入れ歯の治療期間と費用
入れ歯の治療期間は約1~3か月程度で、型取りや試着、調整を複数回行います。費用は保険適用で数千円から1万円程度ですが、素材やデザインによっては保険外で10万円以上になることもあります。
ブリッジの特徴、メリット、デメリット
ブリッジは、歯が欠損している部分を両隣の健康な歯で支える治療法です。固定式で取り外しの手間がない点が特徴です。
メリット
- 取り外しの必要がなく、自然な使用感を得られる。
- 比較的短期間で治療が完了する。
- 保険適用が可能な場合が多く、費用を抑えやすい。
デメリット
- 両隣の健康な歯を削る必要がある。
- 支えとなる歯に負担がかかり、長期的に寿命を縮める場合がある。
- 一番奥の歯がない場合には適用できない。
ブリッジの治療期間と費用
治療期間は約2~4週間程度。費用は保険適用で1本あたり1~3万円程度ですが、セラミックなどの自費診療では10万円以上になる場合があります。
インプラントの特徴、メリット、デメリット
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。自然な噛み心地と高い耐久性が魅力です。
メリット
- 自然な見た目で、噛む力も天然歯に近い。
- 周囲の歯を削る必要がなく、他の歯への負担が少ない。
- 長期間安定して使用できる。
デメリット
- 外科的手術が必要。
- 保険適用外のため、費用が高額。
- 健康状態によって適用できない場合がある。
インプラントの治療期間と費用
治療期間は3か月から半年程度。費用は1本あたり30~50万円程度で、完全自費診療となります。
骨量が不足している場合には、骨移植など追加処置が必要になることもあります。
関連記事
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歯牙移植の特徴、メリット、デメリット
歯牙移植は、自身の健康な歯を抜いて別の場所に移植する方法です。
歯がない部分に対して、親知らずを移植することが多い治療法です。
メリット
- 自分の歯を利用するため、他の歯を削る必要がない。
- 自然な噛み心地を得られる。
- 保険適用の場合は費用を抑えられる。
デメリット
- 親知らずや顎の骨の状態によって適応できない場合がある。
- 成功率が100%ではなく、移植後に不具合が生じるリスクがある。
- <外科処置が必要。/li>
歯牙移植の治療期間と費用
治療期間は3ヶ月以上。保険適用の場合、費用は1万円程度ですが、条件によっては自費診療となり10万円以上かかることもあります。
4つの治療法には、それぞれ異なる特徴があります。治療法の選択は、患者様の口腔環境、ライフスタイル、予算などに応じて決定されます。歯科医師との相談を通じて、自分に最適な方法を選びましょう。
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・ほとんど歯がない場合の治療費|治療費を抑える方法も紹介
・「歯がないから歯医者に行くのが恥ずかしい」と感じている方へ
まとめ
「歯がないところに歯を入れる」ことは、健康的な生活を送るうえで非常に重要です。放置すると、咀嚼力の低下や噛み合わせの乱れ、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、見た目にも影響を与えます。
しかし、現代の歯科医療では、入れ歯、ブリッジ、インプラント、歯牙移植といった多様な治療法があり、それぞれに特徴や適応があります。
入れ歯は費用が抑えられ短期間で作製可能、ブリッジは自然な使い心地が得られ、インプラントは耐久性と機能性と使い心地に優れています。
一方で、歯牙移植は自身の歯を利用できるため、他の歯を削らずに済む治療法です。治療法を選ぶ際は、自分の口腔環境やライフスタイル、予算に合った方法を検討することが大切です。
どの選択肢も、失った歯の機能と見た目を取り戻し、健康で自信のある毎日をサポートしてくれます。この記事を参考に、適切な治療法を見つけていただければ幸いです。

監修者
おくだ歯科 院長
奥田 幸祐(オクダ コウスケ)
プロフィール
歯科医師として歩みを始めたときから、インプラント治療における様々な症例に対応し、他院で治療ができなかった難症例も数多く治療してきました。自身が日々研鑽を積むだけでなく、多くのドクターにインプラント治療の指導も行っています。この豊富な経験と実績で、皆様に寄り添い難症例にも対応してまいりますので、お悩みの方は是非一度当院にご相談ください。
経歴&職歴
- 平成17年:朝日大学 歯学部 首席で卒業
- 平成17年〜24年:付属病院、開業医勤務
- 平成25年:おくだ歯科・矯正歯科 可児市広見にて開業
- 平成27年:医療法人化 医療法人ALESおくだ歯科・矯正歯科
- 平成27年:厚生労働省認定 歯科医師 臨床研修指導医 取得
- 令和5年:日本顎咬合学会 嚙み合わせ認定医 取得
- 令和5年:特定非営利活動法人 放射線学会 CBCT認定医 取得