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2024年7月25日2024年8月28日

ほとんど歯がない場合の治療費|治療費を抑える方法も紹介

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ほとんどの歯を失ってしまった状態は、日常生活に大きな影響を及ぼし、自信や笑顔を奪ってしまいます。しかし、適切な治療を受けることで、再び豊かな人生を送ることができます。とはいえ、歯科治療には高額な費用がかかることが多く、経済的な不安を抱える方も少なくありません。

そこで本記事では、ほとんど歯がない場合の治療費について、入れ歯やインプラントなどの選択肢ごとに詳しく解説します。さらに、高額療養費制度や医療費控除などの治療費を抑える方法も紹介します。歯科医院選びのポイントも押さえることで、自分に合った最適な治療法を見つけることができるでしょう。

ほとんど歯がない状態でお悩みの方は、ぜひ本記事を参考に、前向きに治療に取り組んでいただければと思います。

ほとんど歯がない場合の治療費

ほとんど歯がない場合、治療方法は主に2つになります。

  • 入れ歯(総入れ歯)
  • インプラント

それぞれの治療費を紹介していきます。

入れ歯(総入れ歯)

すべての歯を失った場合、総入れ歯の治療費は保険適用と自費診療で大きな差があります。保険適用の総入れ歯は約1.5万円〜2万円程度ですが、自費診療では20万円〜80万円と幅広い価格帯となっています。

保険適用の総入れ歯は、基本的な機能を備えたレジン(プラスチック)製の義歯が提供されます。レジンは強度を確保するために、ある程度の厚みが必要であり、人工歯の色調や形態の選択肢も限られています。患者さんの自己負担額は、通常の3割負担の場合、約15,000円前後が目安です。

一方、自費診療の総入れ歯は、金属や軟質レジンなど多様な材質を使用できるため、より高品質な義歯を作製できます。金属床義歯は、お口の粘膜と接する部分に金属を使用し、熱伝導性に優れているため、食事がより快適になります。また、軟質レジン(シリコン)は歯茎に近い色調と柔軟性を持ち、違和感が少なく高い適合感が得られます。これらの材質を使用することで、義歯をより薄く作製でき、口腔内での違和感を軽減できます。

自費診療の総入れ歯では、人工歯の色調や形態の選択肢が豊富であり、患者さんの元の歯に近い義歯を製作できます。ただし、高品質な材料や技術を用いるため、費用は20万円〜80万円と高額になります。

インプラント

インプラントに置き換える場合、治療費は素材や手法によって異なりますが、概ね400万円〜1,000万円程度が相場となります。最も一般的な治療法は、4本もしくは6本のインプラントを土台として10〜12本の人工歯を装着する「オールオンフォー」と呼ばれる方法です。

従来のインプラント治療では、失われた歯の数だけインプラントを埋入する必要があり、全顎の治療には膨大な費用がかかります。1本あたりのインプラント治療費は平均32.8万円〜39.9万円であり、検査費用や治療計画作成費、施術費用、アフターケア費用などを含めると、全顎のインプラント治療には約480万円〜960万円が必要とされています。

一方、オールオンフォー(オールオンエックス)では、上下の顎にそれぞれ4本もしくは6本のインプラントを埋入し、それを土台として10〜12本の人工歯を装着します。この方法では、インプラントの本数を減らすことができるため、治療費を大幅に抑えることが可能です。オールオンフォーによる全顎のインプラント治療費は400万円前後となっています。

オールオンフォーは、従来のインプラント治療と比べて、費用面だけでなく、手術時間の短縮や回復期間の短縮といったメリットもあります。ただし、オールオンフォーが適用できるかどうかは、患者さんの口腔内の状態によって異なります。

治療費の補助制度

治療が高額になる場合、補助制度を活用することで、費用の負担を軽減することもできます。

医療費控除

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定の基準額を超えた場合、確定申告により超過分の医療費を課税対象の所得から控除し、税金の一部が還付される制度です。この制度を利用することで、高額な歯科治療費の負担を軽減することができます。

医療費控除は所得控除の一つであり、支払った医療費に応じて税金を再計算する仕組みです。会社員の場合は所得税の還付が受けられ、個人事業主の場合は確定申告に反映して節税効果が得られます。

控除額の計算方法は、「実際に支払った医療費の合計額」から「保険金等で補填される金額」と「10万円(または総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)」を差し引いた金額となります。ただし、控除額の上限は200万円と定められています。

医療費控除の対象期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。控除を受けるためには、個人事業主だけでなく、サラリーマン・アルバイト・パートで働く人も確定申告を行う必要があります。

確定申告の際には、「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告書に添付しなければなりません。この明細書には、支払った医療費の内訳や保険金等で補填された金額などを記載します。

歯科治療で多数の歯を失った場合、治療費は高額になることが多いため、医療費控除を活用することで税金の還付や節税効果が期待できます。ただし、制度の利用には一定の要件があるため、事前に確認しておくことが重要です。

歯科医院選びのポイント

歯がない状態を改善するための治療を受ける際、適切な歯科医院を選ぶことが重要です。歯科医院選びのポイントとして、症例数や実績の多さ、難症例への対応力、丁寧な説明、充実した設備などが挙げられます。

症例数、実績が多い

歯科医師の経験と熟練度は、症例数や実績に大きく影響されます。年間の治療件数が多い歯科医師は、様々な症例を経験することで知識と技術を蓄積しています。

インプラント治療や入れ歯治療などの症例数が豊富な歯科医院を選ぶことで、より質の高い治療を受けられる可能性が高まります。

難症例のオペも受けることが出来る

顎骨が少ないなど、難易度の高い症例に対応できる歯科医院を選ぶことも重要です。全ての歯科医院が難症例のオペに対応できるわけではないため、技術と経験を持つ歯科医師を探すことが必要です。

担当医に治療が難しいと言われた場合でも、セカンドオピニオンを求めることで、治療の可能性を探ることができます。

きちんとした説明を受けられる

歯科医師との信頼関係を築くには、治療内容や仕上がりについての丁寧な説明が欠かせません。わかりやすい説明を行う歯科医師は、豊富な経験と高い技術力を持っていることが多いです。

説明が不十分な場合、歯科医師の技術力や内面に疑問を抱く必要があるかもしれません。

設備が充実している

優れた技術を持つ歯科医師が最新の設備を使って治療を行うことは、より良い結果につながります。CT装置やマイクロスコープなどの設備が充実している歯科医院は、精密な診断と治療が可能です。

設備の充実度は、歯科医院の治療に対する姿勢を反映していると言えるでしょう。

歯がない状態の改善には、入れ歯やインプラントなどの高度な治療が必要となることが多いため、適切な歯科医院選びが治療の成功を左右します。上記のポイントを参考に、自分に合った歯科医院を見つけることが大切です。

おくだ歯科・矯正歯科の特徴

歯がない治療に対しておくだ歯科・矯正歯科が提供できる価値についてご説明します。

骨造成やサイナスリフトなど、難症例に対応可能

おくだ歯科・矯正歯科では、骨がうすくてインプラントができないといった事例に対しても、骨造成と呼ばれる手法で治療が可能です。

他院で断られてしまった方でも、当院で治療可能な場合もありますのでお気軽にご相談ください。

All on Xに豊富な実績があり

通常のインプラントではなく、4本ないし6本のインプラントで全ての歯を支えるAll on Xも当院では実績が豊富です。

なるべく治療費を抑えたい、早く噛めるようになりたい方は是非ともご相談ください。

専用オペ室を完備

外科的な処置をより安全に清潔にできるよう専用のオペ室を完備しています。

チーム医療により安全で安心な治療を心がけています。

ITIスペシャリストの院長が直接対応

当院の院長はITIと呼ばれるインプラントの世界的なスタディグループに所属し、スペシャリストとして認定されています。

新人が担当するのではなく、実績豊富な院長が直接対応しますのでご安心ください。

インプラントと義歯(入れ歯)どちらにも専門性あり

当院はインプラントだけではなく、義歯の治療にも力を入れています。

患者様の生活習慣や希望、予算などに合わせて専門性の高い治療を提供できるので、どちらか一方だけを推すということではなく、患者様の立場にたったカウンセリングを実施しています。

まとめ

ほとんど歯がない状態の治療費は、選択する治療法によって大きく異なります。保険適用の入れ歯は比較的安価ですが、自費診療の入れ歯やインプラントは高額になる傾向があります。オールオンフォーは、従来のインプラント治療よりも費用を抑えられる可能性がありますが、それでも数百万円の費用がかかります。

治療費を抑える方法として、高額療養費制度や医療費控除の活用が挙げられます。高額療養費制度は、一定の上限額を超えた医療費が払い戻される制度であり、医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に所得控除が受けられる制度です。

また、歯科医院選びも重要なポイントです。症例数や実績が多く、難症例にも対応できる歯科医院を選ぶことで、より良い治療結果が期待できます。丁寧な説明と充実した設備も、歯科医院選びの重要な基準となります。

ほとんど歯がない状態は、適切な治療を受けることで改善が可能です。治療費や歯科医院選びに関する情報を十分に収集し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。治療費の負担を軽減する制度も積極的に活用しながら、前向きに治療に取り組むことが、新しい人生の第一歩となるでしょう。

奥田幸祐

監修者

おくだ歯科 院長

奥田 幸祐(オクダ コウスケ)

プロフィール

歯科医師として歩みを始めたときから、インプラント治療における様々な症例に対応し、他院で治療ができなかった難症例も数多く治療してきました。自身が日々研鑽を積むだけでなく、多くのドクターにインプラント治療の指導も行っています。この豊富な経験と実績で、皆様に寄り添い難症例にも対応してまいりますので、お悩みの方は是非一度当院にご相談ください。

経歴&職歴

  • 平成17年:朝日大学 歯学部 首席で卒業
  • 平成17年〜24年:付属病院、開業医勤務
  • 平成25年:おくだ歯科・矯正歯科 可児市広見にて開業
  • 平成27年:医療法人化 医療法人ALESおくだ歯科・矯正歯科
  • 平成27年:厚生労働省認定 歯科医師 臨床研修指導医 取得
  • 令和5年:日本顎咬合学会 嚙み合わせ認定医 取得
  • 令和5年:特定非営利活動法人 放射線学会 CBCT認定医 取得