歯の豆知識を紹介しております。
皆さんこんにちは!
歯科医師の小宮です。
今日は「フレイル」というあまり聞きなれない言葉を踏まえながら、
改めて「予防」の大切さについて書いていきます。
まず比較的最近使われるようになった言葉、「フレイル」についてお話しさせてください。
3年程前までは [Frailty] という英語は日本で、「虚弱」ないし「老衰」「衰弱」「脆弱」という言葉に訳されてきました。
これら「虚弱」「老衰」「衰弱」「脆弱」と聞いてみていかがでしょうか?
多くの方は“加齢に伴って不可逆的(つまり元に戻れない状態)に老い衰えた状態”という印象を受けるのではないでしょうか?
しかし、実際のFrailtyという言葉には、“しかるべき介入により再び健常な状態に戻る”という可逆的な意味が含まれています。
そこで日本老年医学会は、「虚弱」では Frailtyという言葉が本来持つニュアンスを十分に表現できているとは言いがたいと考え、代わりに「フレイル」という言葉を使い始めたのです。
なぜ日本老年医学会は、ここにきてわざわざ新たな言葉を作り普及させようとしているのでしょうか?
それは、「Frailty に陥った高齢者を早期に発見し,適切な介入をすることにより,生活 機能の維持・向上を図っていくこと」、つまり「予防」こそ、今最も重要視されていることの一つだからです!
ここで「予防」という言葉を使うと、
「え、体調を崩した段階で予防云々の段階ではないのでは??」
とおっしゃる方がみえるかもしれません。
しかし、「予防」という言葉は、意外と多くの意味を持ちます。
以下、予防についての説明です。
<一次予防>
病気になる前の健康者に対して、病気の原因と思われるものの除去や忌避に努め、健康の増進を図って病気の発生を防ぐなどの予防措置をとること。
<二次予防>
病気になった人をできるだけ早く発見し、早期治療を行い、病気の進行を抑え、病気が重篤にならないように努めること。
<三次予防>
病気が進行した後の、後遺症治療、再発防止、残存機能の回復・維持、リハビリテーション、社会復帰などの対策を立て、実行すること。
もうお分かりのように、病気になった後、病状が悪化しないよう働きかけていくとこと、機能の改善を図ることも予防のひとつなのです!
「まだ改善・回復できる余地があるとき」に何をすべきか?
この「予防」への取り組みが、「その後、その方の未来に大きく関わってくる重要なポイント」であることを皆様により深く認識して頂くべく、「フレイル」という言葉は、今日多くの分野で広く使われるようにになってきています。
さて、お口に関する「フレイル」、これは「オーラルフレイル」と言われています。
この「オーラルフレイル」も、まだ改善・回復できる余地がある可逆的な段階であること、が大きな特徴の一つです。つまり早めに気づき適切な対応をすることでより健康に近づきます!
しかしこの「オーラルフレイル」、始まりは、滑舌低下・食べこぼし・わずかなむせ・かめない食品が増える・口の乾燥など、ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくい特徴があるため注意が必要です!
「あれ、最近ちょっと噛みにくくなったかも?」
「前より食事中の咳が増えたなぁ。。」
そんなちょっとした身体からのサイン、どうか見逃さないでください。
その小さな違和感を改善させることが、大病を防ぐかもしれません。
今や当たり前に言われるようになった「早期発見・早期治療」。
やはり、これにつきるものはありません!
さておくだ歯科では、皆様の「フレイル」をいち早く気づけるよう、定期検査、クリーニングに力を注いでいます!
ドクター・スタッフ一同、誠心誠意対応させて頂いていますので、
定期検査にお越しの際は、些細なことでも是非ご相談くださいませ(^^)!