歯の豆知識を紹介しております。
こんにちは、歯科衛生士の伊藤です
現在、歯周病は国民の健康を脅かす生活習慣病の一つと考えられています。
お口の中は細菌で一杯。 300~500種類以上の細菌が生息すると推測され、そのなかでも
歯周病の発症に関係する細菌を「歯周病原性細菌」と呼びます。
プラーク(歯垢)は食べカスでなく細菌の塊りであり、この歯周病原性細菌が多くいると歯周組織を破壊していきます。
歯周病は歯を支える歯周組織を破壊して、最終的には歯を喪失させていき、この喪失した歯が多くなると、うまく物が噛めなくなります。
(※物を噛むことによって得られる効果の一例として※)
唾液分泌の増加・食べ物を味わう事ができる・食品を砕いて唾液と混ぜ消化する
嚥下を助ける・咀嚼筋を強くする・顎を発達させる・脳の血流を良くするなど・・・
歯周病は、ただ単に口の中だけの問題でなく全身にも大きな問題を引き起こす事がわかってきています。
歯周病と関係のある全身疾患として「糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎・骨粗しょう症・早期低体重児出産」などがあげられます。
妊娠すると女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンの血中濃度が上昇する
プロゲステロン(月経時の黄体期ピーク時の約10倍)
エストロゲン (生殖サイクル中の約30倍)
↓
歯肉溝(ポケット)内のプロゲステロンやエストロゲンの濃度も上昇し歯周病原性細菌の
Prevotella intermediaがホルモンを発育素として爆発的に増加する
↓
一方でプロゲステロンは、血管拡張と血管透過性の増加により歯肉炎症・出血を起こし、
歯肉出血によりProphyromonas gingivalisも増加する
↓
・唾液が酸性になりネバネバしている
・つわりなどで食事回数が増えて、口の中が汚れやすくなっている
・ハブラシを入れると気持ち悪くなり十分に清掃できない
・ホルモンのバランスが変わり、抵抗力が低下している
・食べ物の好みの変化や偏食
・歯の治療を避けてしまう
↓
これらが重なって、歯と歯の間や歯の付け根周りに歯肉浮腫・増殖・歯肉からの出血が起こるリスクが高まる
早期低体重児出産と
早産・・・・・・・・・妊娠24週~37週未満に出産
低体重児出産・・・出生体重2500g未満の低体重児の出産
を意味します
新生児にさまざまな問題が生じる
肺・呼吸器・心臓・臓器・脳・体温調節などの機能がとても未熟なので
障害・後遺症が起こりやすい
歯周病原性細菌が産生する内毒素はプロスタグランジンを産生し、この産生されたプロスタグランジンが
子宮収縮を促すため(炎症性サイトカインを誘発すること)早産や低体重児出産を引き起こす
歯周病にかかってる妊婦さんは、歯周病でない妊婦さんに比べて
早期低体重時出産のリスクが7.5倍
初産7.9倍
生まれてくるお子さんを心待ちにしている妊婦さんにとって、早期低体重児出産はとても恐ろしい妊娠トラブルです。
(妊婦さんによくみられる疾患として、妊娠性歯肉炎・歯周炎・ムシ歯・智歯周囲炎・口臭・口内炎・妊娠性エプーリス(歯肉腫)などがあります)
そこで「プラークコントロールとおくだ歯科での定期健診」での「早期発見・早期治療=予防」が大切です。
プロフェッショナルケア(歯石除去・PMTCなど)でプラーク・バイオフィルム・歯周病原性細菌などを機械的に除去し、
妊婦さんの口腔内の状況改善を・・・
おくだ歯科で一緒に予防していきましょう。
妊娠中は栄養の保持に努めましょう
たんぱく質・・・胎児の細胞を作る(肉・魚・卵・穀類)
カルシウム・・胎児の骨・歯を作る(牛乳・乳製品・小魚類)
鉄 分・・・貧血になりがち(レバー・卵黄・肉類・ほうれん草・大豆製品)
ビタミン・・A 体の発育・抵抗力(レバー・青魚・緑黄色野菜・果物・豆類・バター・牛乳)
B 手足のしびれ・むくみ
E 流産の予防
妊娠すると内分泌の変調やビタミン代謝の障害などで
栄養障害が起きやすくなる為、常にバランスのよい食事を心掛けましょう