可児市 歯科 歯医者 おくだ歯科｜多治見市からもすぐ

歯科衛生士の川野です。今回は歯の治療に使用される材質についてお話しします。

皆さんが歯科医院で治療を受けてお口に入る詰め物や被せ物と呼ばれるもの、専門用語で補綴物といいます。これは悪くなってしまった部分を人工物で補うものです。補綴治療というのは悪くなった部分を直す、置き換えることで、残念ながら歯が元通りに治ることではないのです。皆さんの口腔内が今後少しでも快適であるように、それぞれの補綴物の特徴を理解しておきましょう。

それぞれの材料によって様々な特徴がありますが、歯科衛生士の観点から気になるのは清掃性、つまり汚れがいかに付きにくく、付いてしまった場合は取れやすいか、です。
補綴物には代表的なものが３つあります。金属、レジン、セラミックです。金属とは銀歯と呼ばれる銀合金の材料、レジンとはプラスティックの一種で歯と似た色の材料、セラミックとは陶材でレジンより自然な歯の色に近い材料です。保険治療で使用されるのが金属とレジン、保険外がセラミックです。口腔内で形を作るレジンでの治療を除き、歯科技工所で作られる補綴物は製作時の最終工程で歯科技工士によって最終表面処理が施され、見た目だけでなく汚れも残りにくくしてあります。これが口腔内に入ることにより、様々な影響をうけます。時間とともに変化するのは全ての物質に共通することですが、補綴物は口腔内という環境下において、微生物にも曝されながら、さらに身体の一部として機能することが求められます。口腔内に接着されるとすぐさまブラッシングなどの機械的刺激で滑沢面が冒され、その早さは材料によって異なります。表面が軟らかく傷が付きやすい順にレジン＞金属＞セラミックとなり、その傷にプラークが残りやすく清掃性が悪いといえます。さらに金属については経年変化の腐食によって滑沢面が冒され、プラークが残りやすくなることも起こります。セラミックは比較的傷が付きにくく清掃性の良い材料だと言えますが、ケアの仕方次第で傷が付いてしまえば他の材料と同じようにプラークが残るようになってしまうので注意が必要です。

患者様ご本人によるセルフケアでは補綴物に傷をつけないように、歯ブラシの硬さや磨く強さ、歯磨剤の研磨成分の有無に気をつけるといいですね。

当歯科医院での歯科衛生士によるプロケアでは、清掃に使用する器具だけでなく研磨ペーストにも気をつけ、患者様の口腔内の状態に応じて選択するようにしています。ご自身でのケアが不安な方はぜひご相談ください。

正しいケアで口腔内を健やかに保ちましょう。